ストーリーテリングについて語るブログ

ペルー・マチュピチュ旅行(その3)

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清々しい町

マチュピチュの街は着いた瞬間から清々しい空気が漂っていました。旅行シーズンの繁忙期で人は多かったのですが、駅を出るとすぐマチュピチュの山々が周りを囲み、綺麗な小川が流れています。町全体がその神聖な空気をまとっているので、どこにいても清々しいのです。

ホテルにチェックインして荷物を置いてシャワーを浴びた後(列車内はとても暑かったので)、散策に出かけました。この日は14時頃到着し、フリータイムでした。川に沿って上流側に行くと温泉施設がありました。水着を着用して入るスタイルのようです。「温泉」という響きにちょっと惹かれましたが、水着をレンタルしたりする手間を考え諦めました。

次に下流に向かって歩いていきました。マチュピチュの町はただその辺の石やベンチの上に座っているだけでも気持ちの良い場所でした。ここでひと夏過ごしたらどうだろうか(南半球は季節が反対で現地は冬ですが、日中は長そで1枚でも十分な温かさでした)、なんてことを妄想したりしました。

日本で言うと、ここは軽井沢と上高地を足して二で割ったような場所でしょうか。何とも言い表しにくいですが、マチュピチュの魅力はこれだけ世界中から人が来て、観光地になっているのに、自然が汚されることなく、そのまま保たれているところでしょうか。(もちろん、見えないところで汚染が進んでいるところがあるのかもしれませんが)

マチュピチュ遺跡へ

翌日はいよいよマチュピチュの遺跡へ行く、ペルー人のガイドさんとのハイキングでした。このガイドさんは日本語が話せました。お客さんは私だけで、彼女は色々なことを丁寧に説明してくれました。

マチュピチュの山の上は遺跡になっており、標高2400メートルの場所に日時計や太陽の神殿、段々畑などの見どころが詰まっています。麓の町からバスに乗り、スタート地点まで連れて行ってもらった後にいよいよ遺跡入りです。マチュピチュはインカ時代に築かれた都市遺跡ですが、他の都市と違い、1500年代のスペイン人による侵略を受けることなく放棄され、密林の中で長年眠っていました。その後発見されたのはなんと1911年になってから。アメリカ人探検家(ビンガム氏)により発見されたそうです(それ以前にもペルー人に発見されていた説があるが、「公式」な発見はこの時とのこと)。こんな空中の都市が何百年も忘れられていたというのが驚きですね。

ちなみに、私にとってこの日の朝は、ペルー以来、目が覚めて頭痛のしない朝でした。プーノ、クスコとずっと標高3000メートル台の地域にいましたが、これまでの数日間で高地に慣れてきたのと、マチュピチュは2400メートルと1000メートルほど低地に位置するため、だいぶ体が楽になったのだと思います。でも、最初の旅先がマチュピチュだったら、それなりに苦しんでいたかもしれません。やはり、旅はある程度日程に余裕をもって、徐々に慣らしてから本命の場所に行くのが良さそうです(フライトも長時間なので、日本から1週間とかの旅だと相当きついかと思います)。

ガイドさんは元々旅行会社で事務職をやっていたところ、日本語を勉強してそれを使いたくてガイドに転身したそうです。遺跡の説明をしたり、写真を撮ったり、ちょっと現地の案内係の人とコミュニケーションをして融通を利かせてくれたり、と私に最大限のもてなしをしてくれました。

いつまでもここにいたい!

マチュピチュの町でも感じたことですが、山の上はさらに神聖な気が流れている気がしました。ある広場のような場所で座って目をつぶって数分瞑想のようなことをしてみましたが、いつまででもその場にいてこうしていたい、そんな気分になる場所でした。 (その実、遺跡の中にトイレはないので、半日が限度とは思いますが…)

世界遺産に認定されている今、マチュピチュの遺跡への入場者数は最大1日あたり4,500~5,600人程度に制限されているそうです。そのため、ピークシーズン(5~9月)に行きたい場合、数ヶ月前から予約するのが鉄則とのこと。今回私が予約をした時は1ヶ月前を切っていましたので、無事行くことができてラッキーだったのでしょう。

マチュピチュの山での過ごし方は今回の私のように遺跡の主要エリアを巡る基本コースに加え、マチュピチュ山、ワイナピチュ山などへの登山付きのコースもあるそうです。その他、数日かけて、インカ・トレイルなどを回るツアーもあるとのこと。体力が要りますが、食事の支度やテントなどはシェルパの人がついてくれます。次回、体力のあるうちに、もっと日数に余裕を持ってトライしても面白いかも?

旅で感じたこと、そしてこれから

今回初めて南米大陸に足を踏み入れましたが、旅に出て感じたことはこんなことです。

・どんなに遠くても、行こうと思った時に行きたい場所に行っておいた方がいい。

・勝手に自分の「行けるところ」「行ける範囲」を狭めない方がいい。そこでしか見られないもの、出会えない人、感じることがきっとある。

・旅に「いつでも行ける」はない。体力、気力がないといけない(楽しめない)場所もある。

・休み、お金など色々な制約はあるだろう。でも、無理をしてでも決行してみたら何かが変わるかも?

何れも私の「主観」ですが、これまでの「近隣のエリア」や「慣れ親しんだエリア」を超えて、初めて違う地域、言葉の通じない地域に出てきたことで初めて感じることがありました。また、一人旅ならではですが、色々な国から来た人た地との交流によって今までの自分の旅のスタイルとの違いも改めて感じました。

50代になって、今更ながら「もっと前から世界の色々な国を知っておけたら楽しかったな」とも思います。十分色々なところへ行った「つもり」でいましたが、自分は限られた、慣れ親しんだ世界の中で泳いでいただけに過ぎなかったのかも、もっと冒険をしても良かったのかも、と感じています。

これからのチャレンジ

でも、これからでも遅くない、できる時にできることをしよう!そんな風に感じました。

私はこれから3週間で日本に帰国しますが、帰国後は新しい挑戦を始めようと思っています。これまでライフワークとして取り組んできたストーリーやスピーチに加えて、10年以上の海外生活で得た体験や気づきをシェアする活動を始めたいと考えています。

海外に出たいと思っている方々—旅行でも、留学でも、仕事でも—の背中を押せるような存在になりたいのです。海外生活を通じて、日本がどれほど恵まれた国かを実感する一方で、「一歩外に出てみると、こんなに面白い世界が広がっているよ」「思っているほど垣根は高くないよ」ということも伝えたい。それが、私が人生をかけて経験してきたことの意味だと思うから。

きっと迷っている方の中には、私と同じように「行ってみたいけれど…」と躊躇している人がいるはず。そんな方々に、小さな一歩を踏み出すきっかけを提供できたら、こんなに嬉しいことはありません。

年齢を重ねるにつれて、新しい挑戦へのハードルは高く感じがちですが、今回の旅で改めて実感したのは、「やりたいと思った時が一番のタイミング」 だということです。言葉の壁も、体力的な不安も、一歩踏み出してしまえば何とかなるものです。そして何より、そこで出会う人々の温かさや、新しい発見の喜びは、すべての困難を上回る価値があります。

今回のペルー・マチュピチュの旅は、ニューヨーク駐在生活の締めくくりとして、そして新しい人生のステージへの架け橋として、かけがえのない体験となりました。高地での体調不良に苦しみながらも、多くの素晴らしい出会いに恵まれ、改めて「世界は想像以上に温かい」ということを実感できました。

これからは自由に、私なりに、やりたいこと、伝えたいことを形にしていくつもりです。海外での経験を通じて学んだ「可能性を狭めない大切さ」を、一人でも多くの方に伝えていけたらと思います。

新たなチャレンジにどうぞご期待ください。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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