ストーリーテリングについて語るブログ

ペルー・マチュピチュ旅行(その2)

以下続きです。

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クスコへのバスツアー

翌日はプーノのホテルを出て、バスで1日かけてクスコに向かうツアーでした。前日に続き、朝6時発というハードな待ち合わせ時間でしたが、迎えに来てくれたのは一昨日プーノまで送ってくれたあの親切なドライバーさんでした。良かったと思っていたら、彼が送ってくれるのはクスコ行のツアーが出るターミナルまででした。

それはそうですよね。クスコまでは1日がかり、そんなところまで送って行ったら帰りは真夜中になってしまいます。でも、彼はバスターミナルで私の乗るべき観光バスを見つけ、乗り込むまでフォローしてくれました。

クスコ行きのバスツアーのメンバーはまたインターナショナルな構成でしたが、ガイドさんがスペイン語と英語を操りながら、私たちを飽きさせないように、色々と気を配ってくれました。ガイドさんは本当に重労働です。私は乗り物があまり得意な方ではないので、動くバスや船の中で動き回り、声を掛けるだけで尊敬します。

今回のメンバーもやはりヨーロッパ勢が大半で1台分色々な人が乗っていました。私は近くに座っていたドイツ人のファミリーとは仲良くなり、食事もご一緒しました。50代後半くらいの3人のお兄さんと1人の妹さんという構成で、うちお一人が奥さんと20歳のお嬢さんと一緒でした。

お嬢さんは「ニューヨークに憧れている」とはにかみながら話をしてくれました。こうして大人になっても、兄妹で旅をするパターンもあるのだなぁ、仲が良いとこういうこともあるのだな、と将来自分の子どもたちのことを想像したりしました。

途中遺跡やお土産物屋さん、レストランなど5か所で停車しながら、1日かけてクスコに到着しました。

クスコにて

クスコの街に着くと英語ができるガイドさんが待っていてくれました。今回の旅先ではどこでも日本語の漢字で書いた名前のプレートを持って待っていてくれるので、すぐ見つけることができました。さすが日本の旅行会社です(NYには日本の旅行会社が何社かあります)。

クスコの街は、街そのものが世界遺産、というところで古都としての趣がありましたが、プーノよりも都会で活気がありました。その夜は初めて中華レストランに入りましたが、それなりに食欲はあると思っていたものの、食べてみると半分も食べきることができませんでした。この数日で胃袋が小さくなってしまったのかもしれません。

翌日は久しぶりに朝の集合がなく、昼前までホテルでのんびりすることができました。その日はランチとクスコ市内で大聖堂、神殿(コリカンチャ)、遺跡群を見るツアーでした。

クスコはかつてインカ帝国の首都だった場所です。訪れた先ではインカの特徴である石組み技術とスペイン人によって建てられたコロニアル様式の建物が街中に共存していました。

旅の出会い

このツアーでは写真を撮ってあげたのをきっかけに、私より10歳くらい年上?のイタリア人女性と仲良くなりました。彼女は長年コンサルティング会社でバリバリ働いた後、数年前にリタイアして、今は個人でコンサルをしながら、悠々自適な生活を送っているとのこと。毎回の旅は3~4週間で、今回はなんと、前回フレンチ・ポリネシア(タヒチ)旅行で知り合った同じイタリア人女性と一緒に参加していました。彼女は離婚しており、息子さんがいますが、今は独立して別の都市に住んでいるそうです。

「以前は仕事に追われ、忙しかったけれど、今は自分の時間をたっぷりとることができ、充実しているわ。」という彼女の話を聞き、将来の自分の姿と重ね合わせていました。私も近い将来、人生や旅を楽しめるうちにこんな生活が送れたら良いな、とイメージが湧いてきました。

彼女たちのほか、スペイン人とアイスランド人という友人同士で来ている40代くらいの女性もいました。なんでも同じアメリカ系の会社で働いている縁で知り合ったのだとか。自由な旅をしているようで、「明日は山に行く?それとも仕事する?山に行ったら24時間は仕事できないわよ」なんて会話をしていました。

仕事をする日を自由に決められて、明日やることも決まっていない旅行なんて最高ですね!彼女たちはずっとおしゃべりが止まらず、バイタリティがある女性たちという感じでした。仕事もこんな感じでパパっとコミュニケーションして進めてしまうのだろうな、という印象を受けました。

思いがけない親切

翌日はいよいよマチュピチュへ向けて出発です。朝ホテルでドライバーさんがピックアップしてくれて、マチュピチュへの列車の出るオリャンタイタンポまで行きます。ここで遺跡を見学してからお昼過ぎの列車に乗る行程です。ドライバーさんとは遺跡の入り口で別れましたが、私は言葉が通じない状況が不安で「ここで待ち合わせね!」「この場所でいいのよね?」と翻訳アプリを使いながら念押ししていました(このドライバーさんはスペイン語のみ可能)。

さて、入場はしましたが、クスコから2時間のドライブの後、遺跡に着いた頃には太陽がさんさんと照っており、日陰のない急勾配の道ををひたすら上っていくのはつらそうでした。なので、しばらく近くの石の上に座り、休んでいたのです。そうしたところ、前方から先ほどのドライバーさんが手を振ってやって来るではありませんか。「来たよー!一緒に上ろう!」と言って・・・。

本当は彼はこの時間、ガイドする必要はなく、車で休んでいれば良いはずでした。でも、不安そうな私を見て心配して戻ってきてくれたのでした。

私の荷物を持って、先に歩いてくれたのです。私は当初、真ん中くらいまで行って戻って来られれば良いか、と思っていたのですが、このドライバーさんのおかげで一番上まで登ることができました。

なんてありがたいことでしょう。言葉は通じなくても、彼の優しい気持ちが身に沁みた温かい遺跡巡りでした(この運転手さんには翌日、翌々日も送迎でお世話になりました)。

その後は駅に向かい、いよいよマチュピチュ行きの列車に乗車です。繁忙期だけあって駅も人がたくさんでしたが、列車は席を取ってあるので問題なく座ることができました。私の座席は4人向き合って座る席でしたが、運悪く窓が開かず、陽が照るなか、窓際の人は辛そうでした。それでも楽しい旅の気分の中、1時間半ほど乗ったらマチュピチュに到着しました。

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この記事を書いた人

米・ニューヨーク在住。ストーリーを使った「ストーリートーキングⓇ講座」認定講師。スピーチコミュニティ「伝わる!スピーチ道場」主宰。
こちらのブログでは「ストーリーテリング」、「スピーチ」を中心に、書くことで人の強みを発掘し、話すことで相手の心を掴む話し方、をテーマに書いています。

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